ステンレス
建築におけるステンレス
ステンレスはその最大の特徴である「錆びにくさ」だけでなく、意匠性も高い素材なので、玄関や自動ドアなどで使用します。髪の毛のように細い線がたくさん引かれたヘアラインと呼ばれる仕上げや、鏡面仕上げなどがあります。

ステンレス

ステンレスとは
ステンレス鋼は、クロムやニッケルを含ませた合金鋼です。その特徴は、名は体を表すの通り、汚れにくさ、錆びにくさにあります。したがってステンレスは防錆のためのめっき塗装をしなくてもよいため、屋外、湿気のある場所、キッチン、鉄道車両の外面・部品などで多く用いられています。
ステンレスの歴史
1820年代にイギリスのマイケル・ファラデーが、鉄に各種の金属を混ぜて合金の研究を開始。1912〜14年には同じくイギリスのハリー・ブレアリーなどによってクロム合金が発明され、実用化されました。このようにステンレスは世界中の多くの科学者たちの研究の積み重ねにより誕生しました。その歴史はまだ浅く100年も経っていない若い金属なのです。
どうして錆びにくい?
ステンレスの表面には、含有するクロムが空気中で酸素と結合して形成している、不動態皮膜という薄い膜があります。厚さはわずか5nm(ナノメートル)(※1ナノメートル=10億分の1メートル)。この膜は傷ついてもすぐに再生されます。
ちょっと豆知識
ステンレスは純鉄に比べてはるかに酸化されにくいので、他の鋼や異種金属と接触していると電蝕を起こします。電蝕とは、金属がイオン化傾向の大きな他の金属と接触すると、局部的に電流が流れ、その部分の組織が破壊される現象のことをいいます。 ステンレスの流しに空き缶やヘアピンなどを置いておくと極端に錆びるのはこのためです。